徒然ピアノ日記

2024.10.15.

「大人のピアノ」

10月半ば、ようやく朝夕は秋の風が心地よい気候となりました。

さて、ストリートピアノを街角や、駅の構内、ショッピングモールの中など、あちらこちらで見かけるようになって久しいですが、Wikpediaによると発祥の地は2003年イギリスのシェフィードのようです。ストリートピアノのテレビ番組も多く、今日の「駅ピアノ」はブタペストの駅構内からの放送でしたが、流石は地元ですね、リストのピアノ曲を弾いている人が何人か映っていました。

そして、今月からEテレでは「3か月でマスターするピアノ」という番組も始まりましたね。私の教室にも何人かの大人の生徒さんが来られているので、参考になればと観ています。経験者とは言え、ブランクの長い人が、3か月で「革命のエチュード」はなかなかハードルが高いのでは?と思いつつ、本田聖嗣先生の的確で、分かり易い指導のもとでなら弾けるようになるのかしら?!とこの先が楽しみです。

コロナ禍以降、家での一人時間を有意義に楽しもうと、ピアノをはじめる方や、子供の頃習っていたピアノを大人になって再開される方が増えました。ストリートピアノの流行も、背中を後押ししてくれているのかもしれませんね。人生100年時代、60代、70代で仕事をリタイアしてからピアノをはじめたとしても、20年以上楽しめます。おまけに、指先の刺激は脳の働きを活性化しますので、認知症予防にもよろしいのではないでしょうか。

私の教室の大人の生徒さん達は、大変に熱心に勉強されます。毎回、スケールをスラスラッと弾かれて、新曲の譜読みもバッチリという方、子供の頃からずーっとピアノが大好きなベートーヴェン弾き、生徒さんの指導に悩みながら自分のピアノもレベルアップ中のピアノの先生、憧れのエディット・ピアフの曲に挑戦される初心者の方etc. 過去にはご夫婦で習いに来られている方もおられましたが、お二人の曲の好みが対照的で、愛犬は奥様が弾かれる時にはピアノの傍にいて、ご主人が弾きはじめるとスーッとどこかへ行ってしまうなど、楽しいお話もして下さいました。

「大人のピアノ」は、それぞれピアノに対する思いや、目標が違いますので、生徒さんのお話を聞きながら、レッスンの方向性や、レッスン頻度を決めて、選曲もしていきます。だいたい隔週でレッスンに来られる方が多いですが、お互い家庭の事情や、仕事の関係などで、レッスン曜日の変更も全然OKとしています。熱心に勉強される姿に私自身も刺激をいただきながら、ピアノが生活の中の一部となり、貴重な自分時間となるように、楽しくレッスンを続けてもらえたらと願っています。

「大人のピアノコース」は平日(木曜日以外)の午前~午後3時ごろまで(※土曜日は要相談)

1レッスン¥3,000/60分です

 

2024.6.19.

「レッスン室より~練習すると上手になるの巻~」

水無月も半ばを過ぎて、紫陽花も色が変わり、ピアノを弾くと汗ばむ季節になりました。(;'∀')

当教室では、毎年8月に発表会を開催するので、そろそろギアチェンジ↑していかねばなりません。。その前に、今月末にはピアノグレード検定も開催されます。今年は、初めて受験する生徒さんも2名います。しっかり取り組んでもらったと思うので、本番まで引き続き頑張って、当日は自信を持って演奏して欲しいと思います。

ピアノグレード検定を初めて受験する年長Rちゃん、可愛いカレンダーとシールを渡した日から、毎朝起きたらピアノの部屋へ行って練習しているそうです。レッスン中も、スラスラと暗譜で弾けるようになり嬉しそう。どうぞこのまま「シールの魔法」が解けませんように!と願っています。

昨日、レッスンに来た小4Yさんも、難しい課題曲に挑戦中。国語の時間に手紙の書き方を習っているとかで、白い封筒を渡してくれました。「レッスンが終わってから開けてください」と言われたので、Yさんが帰ってから読ませてもらいました。時候の挨拶から始まるそのお手紙には、ピアノの練習を頑張ったら弾けるようになった喜びが書かれていました。

Rちゃんも、Yさんも、練習するとピアノが上手になることを実感できたようで、何よりだと嬉しく思いました。他の習い事や、勉強、部活動などで忙しい中、毎週ピアノのレッスンに通い、おまけに家でも練習しなくてはいけない、ピアノとはそういう習い事です。でも、正しい方法で練習すればするほど上手に弾けるようになります。そして家族やお友達など人前で弾く機会があれば、それを目標に頑張れることでしょう。

さぁ、夏に向けて頑張っていきましょう!

 

2024.3.2.

「コンサートへ出かけましょう!」

コロナも明けて、昨年から積極的にコンサート、リサイタルに出かけています。

スマホ等で手軽に音楽を聴ける時代ではありますが、生徒さん達にも是非、生の音楽を聴いてほしいと思います。ある日、小2の男の子の生徒さんが、「今日学校でトロンボーンとピアノのコンサートがあった」と嬉しそうに話してくれました。学校でも、そういう機会がもっと増えるといいですね。また、コンサートホールへ行って、舞台裏、ステージ、客席を見学したり、マナーを学んだり、そんな校外授業もあればと思います。(兵庫県立芸文センターが出来た当初は、中学校の授業で行っていましたが、今は無くなったようで残念です。)

さて、私は大阪のシンフォニーホール、フェニックスホール、兵庫県立芸術文化センターに行くことが多いのですが、ほとんどクラシックのコンサート。そして、やはりピアノ協奏曲や、ピアノのソロリサイタルが多かったのですが、今年は敢えてピアノ以外の楽器のコンサート、リサイタルにも出かけようと思っています。

5月は、イタリアから来日される92歳のインチェンツォ先生の超絶技巧のクラリネットリサイタルへ。友人のヴァイオリニスト真殿美和子さんも出演されて、グリーグの「ヴァイオリンソナタ第3番」を演奏されるので、久しぶりの再会も含めとても楽しみです。

6月は、オーボエ&ギターのリサイタル。昔からクラシックギターの静謐な音が好きなのですが、今回は珍しくオーボエとのアンサンブル。オーボエの澄んだ響きも素敵ですよね。少し先では、9月のクラシックアコーディオンのデュオリサイタルへも行きたいなぁと思っています。アコーディオンと言えば、小学校の音楽会、バンドネオンのピアソラ、、といったイメージですが、普段ピアノや弦楽合奏で聴いている曲目が、アコーディオン2台でどんな世界観の音楽になるのか、とても興味深いです。

勿論、ピアノのコンサートも予定に入っており、今月24日の牛田智大さんのソロコンサートが近づいて来て、ドキドキワクワクしています!!曲目は、モーツァルトピアノソナタ第4番(春に相応しい♪)、シューマンのクライスレリアーナ(大好き♪)、ショパン即興曲と、ピアノソナタ第3番(感涙もの♪♪) あ~~、楽しみ!! 春よこい!!です♡

高校生の頃、ピアノの先生が「昨夜行ったコンサートの余韻が朝目覚めた時もまだ残っているのよ」と、幸せそうに仰っていましたが、今ならそのお気持ちに激しく同意です。あの頃は、自分の勉強や、ピアノの練習で手一杯で、色んな意味でなかなかコンサートへ出かける余裕がありませんでした。でも、若い時にこそ、いい生の音楽を聴かなくてはと思います。

皆さん、是非コンサートへ出かけましょう!




2024.2.7.

「嬉しいこと、目標、夢など」

今年もあっという間に立春が過ぎました。梅の花の上品な香が「春」に向けて、明るい気持ちにさせてくれますね♪

さて、今日のテーマは 私が「嬉しい」と思えること。それは、やはり生徒さんや、保護者の方から「ピアノが好き」「ピアノのレッスンが楽しい」「ピアノを習っていて良かった」更には「先生と出会えて良かった」という言葉をいただくことです!

また、他のピアノの先生や発表会を聴きに来られた方から自分の生徒の演奏を褒めていただいた時も、我がことのように嬉しく感じますし、長年のお付き合いの生徒さんが音楽の道に進学出来た時も、我が子の受験のように嬉しく感動しました。

私の教室に通ってくれている生徒さん達は、「素直」な性格の方が多いです。これは、教える側にはとても有難いことですし、習い事が上達する上でとても重要な要素でもあります。今年の目標は、そんな素直な生徒さん達の「底上げすること」です。どんどんテキストが進めるように、レッスン中に難しい所を弾けるようにしたり、ハノンで指の強化、音階を覚える、読譜の力を付ける、等々。こちらのやる気は十分なので、是非ついてきて欲しいな、と思っています!!

「夢」は、最近とても熱心な大人の生徒さんが何人か来られているので、夏の発表会とはひと味違う「大人のためのピアノパーティー」を素敵なサロン風の会場で開催すること。私の教室だけでなく、お知り合いの先生方にも声かけして、いつか実現出来たらと心の中で温めている企画です。

 

 

2024.1.28.

「1月のルミナリエ」

2024年の年頭、令和6年能登半島地震が発生。日本列島は大きな衝撃と悲しみに覆われました。

被災地の方々へ心よりお見舞い申し上げます。

能登半島各地のライフライン復旧の進捗状況や、避難所での不自由な生活の様子とそんな中でも少しでも心が安らげるひと時を提供されている様子、家族と別れて暮らす受験生のニュース、ボランティアの方がぞくぞくと現地入りして片付けを手伝っているニュース等が毎日報じられています。一日も早く、被災地のライフライン、道路が復旧し、日常生活を少しずつ取り戻せる事をお祈りしています。

29年前の1月17日、阪神淡路大震災の記憶と重なります。

今年、神戸では4年ぶりに「ルミナリエ」が開催されています。阪神淡路大震災の鎮魂、復興再生、継承の趣旨を踏まえ今年は1月開催になったそうです。

久しぶりに見たルミナリエは、やはりとても綺麗で、その美しい輝きに心が洗われ、癒されました。もうすぐ5歳になる孫も、初めて見るルミナリエを見上げて心を奪われているようでした。震災後に初めて子供達と見た当時の思い出も蘇り、光の中で温かな気持ちに包まれるようでした。


 

 

 

 

2023.5.27.

「さすが関西人!」

今年も6月の「ピアノグレード検定」が近づいてきました。

先日のレッスンで、長調と短調の弾き分けについて、”イメージをふくらませて変化をつける”練習をしていた時のこと。

例えば、お天気で晴と曇り、季節で夏と秋、色ならオレンジとブルー、、 「少し変わったけど、もっと変えられるかな?」

そこで「551の豚まんのCM知ってる?!」と尋ねると、二つ返事で「知ってる!!」

「じゃあ、それでやってみよう」

「ある時~↑↑」「ない時~↓↓」「また、ある時~↑↑」

なんと激変しました!!(笑) あの大袈裟すぎるCMみたいにしないと、なかなか人には伝わりません。

本番も、その調子で気分を上げ下げしてね。

ところで、教室の部屋番号は「511」です。たまに間違えて「551」押す人がいますので。(笑)

余談ですが、私の学籍番号も「511」でした! こんな偶然ってあるのですね!!

後日談...「嬉しい時、悲しい時」の例を考えてくる宿題を出したところ、「土曜日の朝、日曜日の夜」と、実にリアルな答えを考えてきてくれました。

 

2023.4.2.

「今年の桜」

今日は、お花見日和。

近所の公園の桜も、線路沿いの桜も、街路樹の桜も、満開です。

昨年は、京都の桜を満喫しましたが、今年もどこかへ出かけたくなり、阪急夙川から甲陽線に乗り換え、一つ目の「苦楽園口」から歩いて10分ほどにある「越水浄水場」に行って来ました。

ソメイヨシノだけでなく、八重桜、しだれ桜、「太白」というイギリスの大きな白い花びらの品種も見事に咲き誇っていました。訪れている人も少なめで、ゆっくりと観てまわれました。帰りは夙川まで川沿いを歩き、良い散歩が出来ました。

さて、年度が変わりました。4月からのレッスンも、気分新たに頑張っていきましょう♪

 

 

 

2023.1.3.

「明けましておめでとうございます」

今年もどうぞよろしくお願いいたします。

年末年始、穏やかなお天気が続いています♪今朝は、「高取山」へ初登山して来ました。

昨年秋から、月に一度を目標に主人と登っています。週に一度のエアロビクス&トレーニングも続けるつもりです。

どちらも、筋肉量&骨密度のup↑を目標に、頑張って続けたいと思います。ピアノを教えるのも、弾くのも、大変体力が要ります。まずは、自分の身体の健康をキープしてなくては、と思っています。

さて、今年は確実に公私共に忙しくなりそうです。時には、断る勇気も必要だと思っています。今年の私の目標の一つは、「断り上手になる」こと。それは、「自分が大切にしたいもの(こと)を守る」ことに繋がると思うからです。

新年早々、山の空気を胸いっぱいに吸い、箱根駅伝を観て、今こうして、「ウィーンフィルニューイヤーコンサート」をNHK+で聴きながらブログを綴っています。今年の自分の目標も見えてきて、なんだか身も心もスッキリしました!!

 

 

 

2022.11.23

「久しぶりの読書」

最近、本を読んでいませんでした。

読書離れ原因の一つには、老眼が進み字がかすむようになってきたこと。でも、これはリーディンググラスを購入して解決しました。(やはり読みやすい!) それよりも大きな原因は、スマホ&アマプラ。特に9月に友人から勧められて観始めた、海外ドラマ「This is us」があまりに面白く病みつきになり、暇を見つけては観ていました。海外のドラマは長い!何年か前も、法廷ものにハマり何ヶ月もかけて観ましたが、「This is us」もシーズン6までありました。その1話1話が感動的で、9月~11月初めまでどっぷりでした。最終シリーズの最終話を観終えた日は、かなりの達成感がありました。(笑)

そして、その後は憑き物が落ちたようにアマプラから離れ、読書がしたくなり本屋さんへ。以前から読みたかった、反田恭平さんの初著書と、本屋さんで偶然手に取った「老後とピアノ」(稲垣えみ子著) どちらもピアノに関する本ですが、ピアノの世界では対極にある人達が書いたところが面白いなぁと思いました。

飛ぶ鳥を落とす勢いの反田恭平さんですが、その熱量、交友関係の広さ、スケールの大きさ、アイデアの斬新さ、こんな若者が日本人ピアニストにいてくれて本当に頼もしい限りです。これからも、日本のクラシック界に新風を吹かせ、大いに暴れて欲しいと期待しています。

そして「老後とピアノ」、この本はめちゃくちゃ面白かったです! ピアノ初心者の方は勿論、ピアノを昔から弾いて来た人にも是非是非読んでいただきたい。稲垣えみ子さんのピアノに対する姿勢、練習にかける情熱、ただ練習するのではなく自己分析して練習方法を工夫したり、楽譜を拡大コピーしたり(これには笑いましたが、意外と核心をついているのかも!) とにかく、その絶え間ない努力に感心させられ、また身につまされました。

人がピアノを弾く時には、プロも初心者も関係なく、「ピアノと向き合う=自分と向き合う」時間が流れるのですね。

 

 

 

2022.10.19

「32nd フリューゲル・クランツ~チャリティーコンサート~」

コロナ禍で活動を自粛していましたが、今年は前回と同じく、六甲のサロン会場「里夢」にてコンサートを開催します。

入場者数は50席とさせていただきます。また、コンサートの収益は全て「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付させていただきます。

晩秋のひととき、私達のピアノで楽しんでいただけるよう、出演者一同 心よりお待ちしております♪

 

 

2022.8.31

「シンプル・イズ・ベストの発表会」

今年の発表会は、8月28日(日)に新長田ピフレホールにて開催されました。

コロナ第7波の渦中でしたが、今年は二部制にはせず、集合写真も撮りました。今のところ、会場に来られた方のコロナ陽性の報告はありませんが、このまま無事に済むよう祈っています。来年こそ安心して制約のない発表会を迎えたいものです。

さて、そんな中での発表会でしたが、初出演の生徒さん達も、発表会の空気を楽しんで堂々と普段どおり、それ以上の演奏をしてくれました。

また、習い始めたばかりの年少さんの生徒さんも見に来てくれて、来年の発表会目指して頑張りたいとか。春からピアノをお休みしていた生徒さんが自分のお姉さんや、同級生の演奏する姿を見て「もう一度ピアノを習いたいのでお願いします」と恥ずかしそうに言いに来てくれたのは、とても嬉しい事でした。

お引越しで、発表会を最後にお別れとなった生徒さんもいます。発表会翌日がお引越しという大変なスケジュールでしたが、ご両親のご協力に感謝です。

プログラム後半は、大人の生徒さんがそれぞれに思い入れのある曲を熱演してくれました。やはり大人になり、自らの意思でピアノを続け、自分でお金を払ってレッスンを受けるようになると真剣さが違います。親がお月謝を払ってくれて、ピアノを習わせてくれているのに、練習しない生徒諸君!!それがどれだけ幸せなことか!!・・・まぁ、それは大人になってからしか分からないでしょうねぇ。。とかく人生とはそういうもの。その繰り返しです。(笑)

何はともあれ、このご時世の中、毎年同じように発表会が開催できるというのは相当幸せなことであり、感謝の気持ちでいっぱいです。

今年の発表会は、ピアノソロと連弾だけの超シンプルな発表会でした。凝った演出も、可愛い飾りつけも無し。ちょっと素っ気ないと感じられるかもしれませんが、今年はこれで良かったと思います。来年は・・・またゆっくりと策を練ります。(笑)

9月からは、基礎練習、ソルフェージュにも力を入れて指導していきたいと思っています。

 

2021.9.13

「夏の終わりに」

今年も夏が終わり、虫の音に秋を感じる季節となりました。

私は9月生まれなので、夏から秋に向かうこの季節が大好きです。

ついに、9月5日の誕生日で60歳になりました!!

いやはや、ビックリです。まさか、自分が「還暦」を迎えるなんてね。。誕生日には、大切な友人達からお花や、プレゼントが届いたり、忙しい中を縫って届けてくれたり、、、本当に幸せな一日となりました。

とにかく、健康でこの日を迎えられた事に感謝です!! これからも、健康第一に、かけがえのない家族を大切に、人生の宝物のような友達との繋がりに感謝して、そしてピアノの仕事と自分のピアノを続けていけたらと思っています。何歳になっても「自分の本質」というものは、あまり変わらないのではないでしょうか。多分、私の5年後も10年後も。

人生を四季に例えるなら、60歳の今って「中秋の名月」?

これからは、今まで自分が積み重ねてきた経験を、次の世代へ繋げて行くべき時期なのだと思いますし、そうしていきたいと思っています。

毎年、夏が終わるこの季節には、色々な思いがよぎります。少々おセンチな気分にもなる季節ではありますが、今年は何か吹っ切れたような、一皮剥けたような、そんな9月です♪

これからも、どうぞよろしくお願いします。

 

 

2021.1.11

「5代目のピアノ」

昨年のクリスマスの日の朝、新しいグランドピアノが届きました。

私にとって、5代目のおそらく最後のピアノになるでしょう。

初めてのピアノは、私が4歳の時に父が買ってくれたYAMAHAの黒いアップライトピアノでした。そのピアノは高校まで弾き倒し、その後は親戚の家で小さな女の子の練習用に使ってもらいました。

二代目もYAMAHAの木目のアップライトピアノでした。音大受験に向けて、本格的に何時間も練習するようになったので部屋も防音室にしてもらいました。この木目のピアノ、私が結婚して家を出てからは母が大切に弾いていましたが、今は娘の家のリビングに置いてあります。

三代目は結婚の時に両親から贈られたYAMAHAのグランドピアノ。着物は要らないからグランドピアノを、とお願いしました。神戸から埼玉県へ移り住む事になり不安もありましたが、この大きな黒いグランドピアノは知らない土地でピアノ教室を開くにあたり、大いに活躍してくれました。自分のグランドピアノが嬉しくて毎日せっせと練習し、都内の先生を紹介してもらって子供ができるまでの二年間、埼京線から西武池袋線に乗り換えて月1~2回レッスンに通いました。

グランドピアノは響板がピアノの下側にあるため、マンション等では特に下の階へ響きます。朝10時~お昼までなら大丈夫かと練習を始めると、下の階から物凄い音量の音楽が鳴り出す事が何回か続き、気になって下の階の奥さんに尋ねると、夜勤明けのご主人がちょうど10時ごろから寝る時間だったらしく、私のピアノの音で眠れず、爆音で音楽をかけて抗議されていたようです。主人に相談して、防音ユニットを入れる事になり音の問題は解決したのですが、各家庭の生活パターンがあるので、自分の中では常識の範囲だと思っている時間帯でも、他のお宅ではそうではない場合もあるのだと痛感しました。

結婚して5年後、主人の転勤で神戸へ帰って来ることが出来ました。引っ越しの時には、防音室+グランドピアノも一緒に運んでもらい、それはそれは大変な引っ越しでした。私も二人目の子がお腹にいて、息子は2歳のややこしい盛りで、、若かったから出来た事でした。5月に引っ越して、6月に無事出産。引っ越しのバタバタでお腹の中で逆子のまま。逆子の出産は最後に赤ちゃんの頭が出てくるので、「フーーフッ」と、いきみを逃がしながら産まなければいけませんが、娘は2500グラムと小さかったので無事自然分娩で産まれました。。と、ここまで書いて、あれ?なんの話だった? そう、ピアノの話でした!!

そのグランドピアノは、息子も娘も弾きました。合唱コンクールの伴奏練習をしていた事など思い出します。子供達の友達もレッスンに来てくれましたが、子供が中高生になると部屋が手狭になり、もう一部屋あれば、、と常々思っていました。色々な事情もあり、悩んだ末に一部屋つぶれるグランドピアノを手放して、アップライトピアノに買い替える決断を下しました。 子供と同年代の生徒さんが高校2年くらいでピアノを辞めていき、「ピアノ教室」はもう終わりかな...との思いが頭をよぎりました。

4代目はディアパソンの木目のアップライトピアノ。当時は、まだ実家にあったYAMAHAのウォルナットのピアノとよく似た木目の、でも音色は全く違うピアノでした。最初はこもった様な音がしていましたが、河合楽器の担当の方から「先生の音にしていって下さい」と言われて、弾き込むうちに良く鳴るようになりました。特に低音の響きは柔らかく、深かい、好きな響きでした。インターネット上のサイトから新しい生徒さんも増えてきて、「山下ピアノ教室」のホームページを作ったのもこの頃でした。

4年前、藤田先生からラヴェルの「道化師の朝の歌」のレッスンの後に、「またグランドが持てるといいわね」と言われましたが、その頃はそこまでの気持ちはなかったように思います。それが何故急に?と言うと、、やはり”ピアノを教えるからにはグランドピアノでなくては"という思い。勿論、自分自身も毎日グランドを弾きたいわけですけれども、特に小学校高学年以上の生徒さん達の上達のために、日頃からグランドピアノのタッチと響きに慣れて欲しかった。

でも正直に言えば、一番の理由は自分への”還暦祝い”(笑)

これまで大きな病気もなく、健康で過ごせた事に感謝して、そして今までピアノを続けられた事、両親や家族に感謝して、これからの人生もピアノと共に。。そんな思いが、昨年秋頃から沸々と大きくなって、最初は今年の春にと計画していましたが、善は急げと昨年中に買う事を決めました。5代目のピアノは、KAWAIのコンパクトグランド。それまでコンパクトグランドってどうなの?と思っていましたが、昨年梅田のお店で試弾させてもらいロイヤルジョージハンマー使用の限定モデルの、この子の音が気に入りました。以前のグランドピアノに比べると30㎝奥行きが小さいので、スペースに余裕がある気がします。そして、小さくてもグランドはグランド。それは本当でした。まだ少しよそよそしい感じはありますが、毎日弾いて”自分の好きな音”が出せるようにしていきたいと思います。

先週から新しいグランドピアノでのレッスンが始まり、生徒さん達も喜んでくれて、本当に良かったなぁ、って思います。何人か「前のピアノはどうなるの?」と優しく心配してくれましたが、あるお宅へお嫁入するから安心してね♪

 

2020.9.11

「来年の弾き合い会」

藤田圭子先生の門下生の会、「フリューゲル・クランツ」の活動もコロナの為、昨秋のサロンコンサートから中断していました。本来ならば1年半のスパンでコンサート活動をしていく予定でしたが、まだまだ世の中が先行き不透明、落ち着かない状況なのでコンサートは再来年になりそうです。

そこで、来年は内輪での「弾き合い会」を企画しました。昨年のサロンコンサート会場は、六甲にある「里夢」というとても雰囲気のよい空間でした。来年も同じ会場で「弾き合い会」をすることになりました。もし、藤田先生がご存命なら「里夢」の雰囲気はきっと気に入られるだろうなと思います。

色んな音楽仲間での活動や、楽器店がらみ等の活動やイベントがあります。会社員の方は、会社という大きな組織の中で上司、同僚、部下という上下の明確な人間関係で、少なからず誰もがストレスを抱えてお仕事されていることでしょう。それと比較すれば、お互いフリーランスで雇用関係にない仲間や、先生同志のお付き合いで生じるストレスは、そこまで深刻なものではありません。しかし、明確な雇用関係や上下関係がないからこそ生じるストレスというのもあります。

「フリューゲル・クランツ」の素晴らしい点は、仲間内でのそういったストレスがゼロというところ。何故か?! それは、メンバーの心の中に同じ思いがあるからです。藤田先生への感謝の念、先生から教わった事を決して忘れないで自分のピアノを成長させていきたいという思い。「フリューゲル・クランツ」を大切に守り継続していきたいという思い。

これは本当に尊い事だと思うのです。他の組織やグループの活動では味わえない幸福感、年代を超えた素敵な仲間意識とプライドです。来年以降も、お互いに切磋琢磨して頑張りあえたらと思っています。

 

 

2020.6.11.

「楽譜を買いに」

一昨日、久しぶり(4か月振り)にYAMAHAへ楽譜を買いに行きました。コロナの自粛期間中はAmazonで注文したり、ペトルッチで探したりしていましたが、やはりお店で買うのはいいですね!5000円以上の買い物をしたので、生成りにYAMAHAのロゴ入りトートバッグに楽譜を入れてくれました。生徒さんの教材+今回はフィンランドの作曲家「メリカント」のピアノ曲集を見つけてルンルンと帰って来ました♪

昔買ったCDにメリカントの「ワルツレント」が入っていて、ずっと楽譜が欲しいと思っていました。ムーミンの物語にも出てくる「夏の夜のワルツ」は、来年の発表会で誰かに弾いてもらいたいなぁ...

「ムーミン」「かもめ食堂」「北欧家具」「北欧食器」は私も大好きですが、北欧ブームはクラシックピアノの世界にも広がっていますね!全音楽譜出版社の舘野泉監修北欧シリーズには、「シベリウス」「カスキ」「メリカント」の他に「ハンニカイネン」「コッコネン」「パルムグレン」等あまり知られていない作曲家のピアノ曲集も数多くあります。以前北欧画家の展覧会を観に行った時に、素朴で力強いタッチの画風に心惹かれましたが、音楽にも共通する部分があると感じます。

ふらりと立ち寄った本屋さんで、たまたま出会った一冊が自分の今の気分にピッタリだったりすると、何ともハッピーな気持ちになります。ネットショッピングは交通費も要りませんし、クリックするだけで翌日品物が届くというこの上ない便利さがありますが、自粛明けの店頭での買い物は心楽しく良い気分転換になりました♪ 4月以来、食料品・日用品以外の買い物をお店でするのは、この日が初めてだった事もあり、改めて自分の欲しいモノの買い物をする意味など少し考えてみたりしたのでした。

 

2020.5.2

「動画de発表会」

4月7日以来、通常のレッスンをお休みにしています。動画レッスン、オンラインレッスンも軌道に乗って来た感じです。4月29日には、LINEの当教室グループ内で「動画de発表会」を実施しました。幼稚園児から主婦の生徒さんまで16名が参加してくれました。小学生の生徒さんは1ヶ月足らずの準備期間。しかも通常のレッスンが出来ない状況で、どこまで出来るか分かりませんでした。

結果、大成功でした!! 当日は生徒の皆さんから送られてくる演奏動画に感動し、癒された一日でした。それにしても、オンラインレッスンやアドバイス動画だけで、自力でテンポアップして暗譜もして仕上げられるとは嬉しいビックリでした!

今まで、当たり前に出来ていたピアノのレッスン。それが出来なくなった今、私も生徒さん達もレッスンしたい、受けたい、という思いが強くなっています。その思いが、あの「動画de発表会」に表れたのだと思います。

この数日間、全国の新型コロナ感染者数は減少傾向にあります。「止まない雨はない」と信じて、まだまだ気を緩めることなく、しっかりと不要不急の外出自粛を続けて、安心して普段通りの生活に戻れるよう頑張りましょう!!

そして、ピアノのレッスンを再開出来た暁にはきっと何かが変わっているはず。一皮剥けた皆に会うのを楽しみにしています。

 

 

2020.4.14.

「自分流で行こう」

新型コロナウィルス感染者数の増加が止まりません。緊急事態宣言を受けて、学校の休校も長引き、食料品店を除く商業施設、娯楽施設、スポーツジム、図書館なども閉鎖です。我々ピアノ教室も、大手楽器店はもとより、個人教室もレッスンを休まれる先生がほとんどです。私も、県内に緊急事態宣言が出る前日からレッスンを休む事にしました。

通常のレッスンの代わりに、オンラインレッスンを取り入れている先生も多いようです。LINEビデオ通話や、Face time、ZOOMなど通話料無料でカメラ越しのレッスンが可能と人気です。

先週は、生徒さんに演奏動画を送ってもらい、私の方からもアドバイスの動画を送りました。5分で動画が切れてしまうので、何度かに分けて送ったり、ボイスメモでも送りました。楽譜を見ながら何度も聞き直せると好評でした。オンラインレッスンは通常レッスンのように、リアルタイムでのやり取りが出来るところがメリットですね。今週も、オンラインレッスン、動画レッスン、好きな方を選んでもらおうと思っています。

オンラインレッスンも、動画レッスンも、生徒さんのテクニックとモチベーション維持の為の苦肉の策です。オンラインレッスンのメリットを声高に仰る先生や、業者もあります。(なるほどね、)と思う所もありますし、今回のような有事の際には有効な手立てでしょう。私も動画レッスンは忙しい生徒さんや、本番前に取り入れた事があり効果も実感しました。けれど、それはあくまで通常の生のレッスンの補助的なツールと考えます。特に初心者の生徒さんには、手取り足取り教えてあげたいですし、進度が進めば進むほど「音色」「タッチ」などはとてもカメラ越しに伝え切れるものではありません。

レッスンに関して色んな考え方があるでしょう。以前からオンラインレッスンを取り入れて、機器の扱いにも慣れ、サブカメラやマイク等も設置して、自分なりのマニュアルを持っている先生、なにより生徒さんが通常レッスンと変わらない満足度が得られていれば、お月謝の料金設定も同じでいいと思います。要は通常レッスンにひけをとらないパフォーマンスが出来ているのか?しかも、それは先生側から見たのではなく生徒側から見ての話。

正直に言いますと、私の場合通常レッスンのパフォーマンスと比較してみると決して同じとは思えません。いくらカメラ越しに頑張っても、自分自身の満足度は通常レッスンの6割り?くらいです。ただ生徒さんは、少しでも良い演奏動画を撮ろうとして、何度も練習したり、私が送った動画を途中で止めて練習したり、何度も繰り返し聞いたりと、通常レッスンとは違うメリットを感じてくれています。きれいごと言うようですが、時給で割り切れる事でもない気がして、、毎日モヤモヤ落としどころを考えています。

とにかく、いつかは収束するであろうこの難局を、自分らしいやり方で乗り切りたいと思っています。

 

 

2020.4.10

「ダジャレか~い!?」

私たち「町のピアノの先生」は、自分の職業を尋ねられた時に何と答えればよいのでしょうか?!

私は普段の会話の中では、「ピアノ教えてます」とか「ピアノの先生やってます」とか言ってしまうのですが、、、

若かりし頃、英会話スクールで自己紹介した時には直訳で「Piano teacher」と言ったらイギリス人の先生にも通じました。

最近では「ピアノ講師」という言い方がよく使われます。大手楽器店が使っているので、個人の教室の先生も自称「ピアノ講師」とされている方が増えたのではないかと思います。

私もこのホームページを作成した際に最初は、他の先生方の自己紹介ページに倣って「講師プロフィール」と書きました。が、何となく違和感がありました。そもそも「講師」とは何ぞや?!と。。。調べてみると「講演や講義をする人」「講座で教えるひと」「非正規雇用の教員」などとあり、あまり自分に当てはまらない気がします。それで「指導者プロフィール」と書き換えたのです。

ただ職業を「ピアノ指導者」と表現するのは、あまりに直接的すぎます。それでは「ピアノ教師」ではどうでしょう?! 私はこの言い方が一番好きです。

先日、レッスン室に古い色紙を飾りました。小学校の卒業前に、当時の校長先生から贈られた色紙です。私の名前「教子」に因んで読んで下さった短歌が書いてあります。

「おしえては 教えられるが教育で あなたの道もかくてありなむ」

私が「ピアノ教師」という呼び名にこだわる大きな理由はこれです。私の名前。「教子」音読みにすると・・・そうなんです!!「きょうし」(笑)この話のオチはなんとダジャレ?!

いやいや、いたって本気の話です。「教師」と「教子」。この異名同音がなんだか嬉しくて、名付けてくれた父と、会った事はありませんが「教」というオルガンと歌が大好きだった祖母に感謝しています。

 

 

 

 

2019.4.28. 「母のピアノ」

 平成も残すところ二日となりました。GWが明ければ、年号が変わっているのですね。新しい時代が、平和で希望の持てる未来でありますように。

さて、先週 実家のピアノを娘の家に移しました。高校時代に買ってもらったウォルナットのYAMAHAのアップライトピアノです。私が結婚で家を出てからは、母がずっと弾いていました。毎日丁寧に磨いて、大切に使ってくれていたおかげで、40年近く経っているのにまるで新しいピアノのようです。

無事に娘の家のリビングに収まって、これも母が丁寧に洗って、ピシッとアイロンをかけておいてくれたアイボリーのカバーをかけました。実家にあったのと同じピアノなのですが、少し違った感じに見えました。その内に、このリビングに馴染んでいくのでしょう。

次の日、娘と孫と一緒にピアノのお礼に行きました。ピアノの部屋は、ガランとしていて、絨毯には丸いピアノの足跡がありました。「ショパン泣くピアノ処分の日の夜に」父の川柳のノートに書いてありました。思えば、私が物心ついた頃から実家にはいつもピアノがありました。父も寂しい気持ちがしたのかもしれないな、と思い振り返ると膝の上にひ孫を抱いて笑っていました。何か救われたような気がしました。

昭和、平成、令和と時代を経てこれからも良い音を鳴らしてくれるでしょう。改めて思いました。「ピアノとは素敵な楽器」だと。

 

 

2018.10.23

「私の原点」

先日の日曜日、門下の仲間と会い、来秋のサロンコンサートの話し合いをしました。とても雰囲気の良いサロン会場なので、秋の花で演出したり、(なんとキッチンも付いているので)休憩時間にティータイムを設けたり、、イメージが膨らみます。

プログラムは、誰もが聴いたことのある名曲を集めて、お客様に楽しんでいただけるような内容にしようと決まりました。

「名曲アルバム」と言えば、子供時代に毎晩のように聴いていたレコードがありました。今はもう手元に残っていませんが、レコードジャケットは白い薔薇の写真でした。曲順も覚えています。

エリーゼのために、楽しき農夫、トロイメライ、トルコ行進曲、楽興の時、ブラームスのワルツ、小犬のワルツ、ノクターン、幻想即興曲、月の光、亜麻色の髪の乙女、雨の庭、月光ソナタ、ハンガリー狂詩曲第2番

子供心にも、ショパンの曲に憧れを抱き、トロイメライやブラームスのワルツに心癒され、ドビュッシーの音色にうっとりしたのを思い出します。妹と二人、ビクターの大きなステレオのある畳の寝室で、毎晩このレコードを聴きながら夢の国へ旅立ったのでした(笑)

思えば、この白薔薇の「名曲アルバム」こそが私の原点でした!

この頃に聴いた曲が、その後中学、高校と進み自分で弾けるようになった時の喜びが、今に繋がっているのだとと思います。

来年の秋、子や孫に、半世紀前(!)の自分に聴かせてあげるつもりで演奏できる事、本当に幸せなことです♪

 

2018.10.3

「フリューゲル・クランツコンサート 31th」へ向けて・・・

私の恩師である、藤田圭子先生が遺して下さった「フリューゲル・クランツ」の仲間とのコンサートが来年10月に決まりました。今年の5月の追悼コンサートには、沢山の方にお越しいただけて何よりの供養となりました。

次のコンサートへ向けて、今月の企画ミーティングからスタートです。年代は違えど、同じピアノの道を歩んで来た者同士。集まればいつも楽しすぎて、アッと言う間に時間が過ぎていきます。帰り道、充実した楽しい時間の余韻の中で「私もピアノの練習を頑張らないと!」と思えるのです。